柔らかい色彩、印象的な光線の処理など、目を引く「色」。
懐かしくも異世界の雰囲気も感じさせる、バリエーション豊かな服装や小物、そして背景。

アニメ『人類は衰退しました』の魅力は、独創的な美術によるところが大きいと思います。

その素晴らしさをエピソード毎に振り返ってみましょう。
episode.01・02「妖精さんの、ひみつのこうじょう」
もともと多角形の光は、「わたし」の髪が長く、面積が広いため、
アップになるとベタっとするのを解消するための策だったそうですが、1話の「わたし」は短髪。

そもそも原作イラストでは金髪に近い色の髪が、
アニメではピンクになっているところに、色彩設定の苦労が現れていますね。

水彩画のような淡い印象でありながら、実は色味の強い『人退』の背景。
それに溶けてしまわぬよう、キャラクターの色を決めるのにも試行錯誤したようです。

照明器具まで衰退しているため、夜はロウソクの灯りしかないわけですが、
そこも多角形の光を重ねることで表現しています。

自然はどう見ても日本ではなく、山や丘の形がどことなくヨーロッパの田舎という感じ。
のどかでありながらポップな雰囲気もある、不思議で楽しい色合い。

一斤さんの頭から出るキャロットミックスジュースも、
血の色とはちょっと違う色ですね。

episode.03・04「妖精さんたちの、さぶかる」
同類誌のいかにもアマチュアっぽい作画が上手い。

即売会に来る女の子達も「くぬぎ派」と「ネムノキ派」で違うところにこだわりを感じます。

マンガの世界に閉じ込められた際、真っ白な背景に溶けてしまわぬよう
Yの髪が少し紫がかっているところにも苦労がにじみ出ています。

壁や天井を表す線すらない、真っ白な空間。
立体感を表現するのは影のみという演出が、このアニメの特殊性をよく表しています。

episode.05・06「妖精さんの、おさとがえり」
エピソードごとに舞台設定が変わる『人退』ですが、都市遺跡は特に作りこまれている感じがします。
このエピソードはセリフも早回しで、とにかく情報量が多い。12話かけて作ってもいいくらいです。

episode.07・08「妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ」
他のエピソードと違うのは、やはり光。
普通のアニメみたいに、ぼかしたような処理になっています。

episode.09「妖精さんの、ひょうりゅうせいかつ」
ドレス、パジャマ、エプロンと「わたし」の服装がどれも可愛い。
妖精さんたちのコスチュームも職業ごとにバリエーション豊か。
お菓子の森は腐海みたい?

episode.10「妖精さんたちの、ちきゅう」
円形な建物が並ぶレトロフューチャーな未来都市。
耳のついたビルやハニカムなデザインもあり、どこか生物っぽいです。

episode.11・12「妖精さんの、ひみつのおちゃかい」
ガラッと雰囲気が変わるエピソード。
特に11話は「わたし」にとって辛い場所であった学校が暗い色彩で描かれています。
もともとは裁判所や独房だったところを建て増ししたという、
学校らしくないデザインも違和感ありあり。

のばら会の憩いの場は、布がふんだんに使われた幸せなイメージ。
暗い学園生活が明るく変わる最終12話は特に色彩豊か。

「わたし」が初めて会った妖精さんは、他と比べ微妙な表情に富んでいます。

妖精さんのデザインですが、単純なだけに難しいデザインですね。
目と口のバランス、丸っこいフォルム、帽子や耳の尖りすぎない先っちょなどなど、
じつは神経を使うデザイン。

シリーズ通して妖精さんの表情を抑えたからこそ、12話での笑顔が活きています
^ワ^
人退 12話 ^ワ^

人類は衰退しました グッズごしょうかいです?・ワ・